Friday, January 16, 2015

涅槃とは?

涅槃は時空間で見つけられる場所ではありません。涅槃は内面にあります。涅槃は、今ここにあります。自分は自分以外の要素、即ち全宇宙からできていることを悟ると、誕生も死もないことを確信できますので恐れや不安がなくなり、自由と堅実に満ちた涅槃に安らぐことができます。

悟るためには考えることを止め、概念や見方を全て捨て去る必要があります。概念や考えや見方への執着は、自他を分離して煩悩を引き起こす誤った知覚だからです。概念や考えや見方を捨て去るには仏性に回帰し、自分とは何者かを深く分析し、他から独立した自己(separate self)の不在を確信しなければなりません。実態がないとはそういうことです。精神投影を通して幻想・錯覚に陥っているだけなのです。縁起とは、結果は原因から生じるという意味であり、原因もなく独立して生じるもの(実体)は何もないことを言うのです。換言すれば、全ては相互に依存し合って生じるということです。

尚、仏陀はこの世は苦しみであるとは言っていません。四聖諦の趣旨を簡潔に言うと、「自分勝手な言動をすれば苦しむが、思いやりのある言動をすれば幸せになる」ということです。仏陀は苦しみを幸せに変容する方法を説いたのです。

わし星雲で星誕生 Photo by ハッブル望遠鏡