Tuesday, March 3, 2015

「空」の洞察

二元性を超越する「空」の洞察は、仏教の核心です。それは、以下の通り非常にシンプルです。

* 独立した自己が空っぽになっていないなら(独立した自己のまま
 なら)、私たちは苦しみます。
* 独立した自己が空っぽになっているなら(独立した自己でないなら:
 独立していない自己で満ちているなら)、私たちは幸せになれます。

対象、即ち知覚されるものは同じです。しかし、主体、即ち知覚者が、独立した自己か独立していない自己かで、異なります。

たとえ、私たちが同一の物又は現象を知覚したとしても、独立した自己(エゴ)はそれを「苦しみ」であると知覚し、独立していない自己(本当の自分)はそれを「喜びや幸福」として知覚します。従って、仏陀は「煩悩こそ悟りに他ならない」と言ったのです。

それ故に、仏陀は2,600年前に「空」(独立した自己が空っぽ)を説かれました。たとえ、この世が変わらなくても、自分が独立した自己(エゴ)から独立していない自己(本当の自分)へ変われば、幸せになれます。これが「空」の教えです。

この意味では、仏陀は偉大な認知療法家でした。仏陀は人々を変えることによって世界を変えようとしたと、私は感じます。つまり、仏陀は真に偉大な非暴力革命家だったということです。

全ては「自分が誰か」によります!

「私たちが、煩悩こそ悟りに他ならないと実感する時、私たちは妄想の大海を慈悲という船で渡航し、恐れの無い笑顔で微笑みながら、平安に生と死という波に乗ることができます。」 - ティク・ナット・ハン
 
A sailboat on the Moray Firth, Scotland  Photo by George (Digisnapper)