Sunday, June 7, 2015

教育と仏教

以下は、2010年のシンガポール瞑想会におけるティク・ナット・ハン法話からの抜粋です。次のビデオを 58:05 から 1:06:35 迄ご覧下さい。


引用:
カナダからやって来た数学の教授がいます。彼の名はヘンリーです。彼は夏の瞑想会の間にプラム・ビレッジに来て、呼吸の仕方、歩き方、マインドフルネス(念)の状態で物事を行う方法を学びました。彼は私たちに「数学の教授としての人生は非常に多忙できつい」と語りました。そして彼はまた、「学生としての生活もまた、受けねばならない非常に多くの試験とやらねばならない非常に多くの宿題があるので、非常にきびしい」と私たちに語りました。彼はプラム・ビレッジにいた時、彼の体と心の中の緊張を解放する方法を学べぶことができ、はるかに気分が良くなりました。

そして、彼がカナダのオタワにある学校に戻った時、彼は完全に変容されていました。初めて彼が教室に戻って来たとき、彼はゆっくりと平和に歩きながら、歩行瞑想を実践していました。彼は以前にそのように歩いたことがありませんでしたので、彼の学生は非常に驚きました。彼は黒板にマインドフルに歩いていき、マインドフル且つリラックスした方法で黒板の書き込みを消そうとしました。そして、彼の学生は彼を見て「パパ、病気なの?」と言いました。彼の学生は彼を愛していますので、彼をパパと呼びます。彼は「いいえ、私は病気ではないよ。私はマインドフルネスを実践している」と言いました。

そして、彼はプラム・ビレッジでの彼の実践、マインドフルに歩くこと、マインドフルに飲むこと、マインドフルに呼吸をすること等について彼の生徒たちに話しました。そして、彼は自分の授業にいくつかの実践を持ち込みたいと思いました。彼は15分毎に教授と学生の双方がストップし、1分間吸う息と吐く息を楽しむことを提案しました。そして、彼は15分毎に手を2回たたいてもらうために、最前列に座っている若い男生徒を任命しました。なぜなら、彼は鐘を持っていなかったからです。その趣旨は、誰もが2回手をたたくのを聞いた時、考えるのを止め、話すのを止め、教えるのを止め、学ぶのを止めて、吸う息と吐く息を楽しまなければならないということにあります。

そして、数週間の内に、教室の雰囲気は完全に変わりました。教師も生徒も共に、はるかにリラックスしています。そして、学生たちは実際に以前よりもはるかに勉強が良くできるようになりました。数ヶ月後には、学校内の全てのクラスがその実践について学びました。なぜなら、彼のクラスの学生たちが勉強において多大なる進歩を成したからです。それが、後に学校内の他の教師もまた、15分毎にマインドフルな呼吸をする彼の手法を採用した理由です。そしてその学校は彼が定年退職しなければならなかった時迄、非常に上手くいっていました。しかし、校長と学校は学校を助けるためにもう3年残ることを彼に依頼しました。ですから、彼は助けるためにもう3年残ることに合意しました。

彼は夏の瞑想会に出席するために、毎年プラム・ビレッジに行きました。今、彼は在家のダルマ(法)の先生になっています。そして、彼はプラム・ビレッジの実践と彼の学生との実践についての彼の物語を伝えるために英語で本を書きました。この瞑想会の後、皆さんは先生のところへ行って、15分毎にマインドフル呼吸を実践することが可能であるかどうか先生にお願いしたいかもしれません。もし、あなたが学校教師、または大学教授なら、あなたのクラスや学校が良く機能するように、そのような授業を実施してみてはいかがでしょうか?
:引用終わり

(参考)
1. http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-44494852
2. http://plumvillage.org/transcriptions/the-five-fold-steps-of-training/

ティク・ナット・ハン