Monday, June 8, 2015

手放す

以下は、2010年のシンガポール瞑想会におけるティク・ナット・ハン法話からの抜粋です。次のビデオを 1:37:57 から 1:47:06 迄ご覧下さい。


引用:
仏陀は、私たちが喜びと幸福によって滋養されることを望んでいることは非常に明白です。喜びと幸せがなければ、私たちは実践者としてあまり遠くへ行くことができません。ですから、仏教の各実践者は自分が望む時に喜びのエネルギーと幸せのエネルギーを発生させることができるべきなのです。そして、私たちはそのやり方、喜びの瞬間のもたらし方、幸福感のもたらし方について質問します。

そして、この件に関する仏陀の教えは非常に明白です。喜びの感情をもたらすには多くの方法があります。幸福感をもたらすために多くの方法があります。誰もに知られている第一の手法は、手放すことです。あなたが手放し方を知っていれば、喜びの気持ちや幸福感がやって来るかもしれません。そして、質問は、「何を手放すのか?」です。私たちには手放すべき多くのことがあります。そして、私たちは座禅瞑想中に、それらを熟考する必要があります。

この表現(離生喜楽)は、全ての仏教徒によく知られています。喜びと幸せは手放す実践から生まれ得ます。もし、喜びと幸福を手に入れたいなら、手放すことができるようになるべきものがあります。

あなたがとても大きな都市、非常に混雑した都市に住んでいて、多くの不快な臭いを嗅ぎ、多くの騒音が聞こえると仮定しましょう。そして、あなたは苦しみ、そのような苦しみを止めるために、あなたは都市から脱出して田舎へ行きたいと思います。あなたが東京、ニューヨーク、ロサンゼルスのような都市に住んでいる時、大都市の状況から苦しみます。そして、ある日、あなたは週末に都市を離れることにしました。あなたは週末にエネルギーの充填ができるように多くの種類の手配をする必要があります。それは簡単ではありません。そして、準備ができたら、あなたは自分の車に乗りこんで、都市から外へ運転します。そして、ロサンゼルスのような大都市から抜け出すには、少なくとも1時間を要します。その後、あなたはローリングヒルズ、美しい木々、月、花を見始め、鳥のさえずりを聞くことができます。あなたは、都市を置き去りにできますので、あなたはとても幸せで自由だと感じます。それが置き去りにすること、後ろに解放すること、手放すこと、から生まれる喜びと幸せです。

あなたが手放せない考えを持っているとします。あなたは常にそのアイデアを心に抱くので、非常に多くの場合、喜びは不可能であり、幸福は不可能です。あなたは幸福の考えを持っています。あなたはそれを得ることができるか、それを取り除くことができる場合にのみ、幸せになれると考えています。そして、あなたは全ての自分の時間を、それを得るか、それを取り除こうと試みることに費やします。そして、その間は喜びと幸福は不可能です。あなたはその卒業証書、地位、その人なしでは、幸せになることは不可能であると信じています。あなたがその人、その状況を得られないなら、あなたは幸せになれないと考えるかもしれません。そして、今、何があなたを不幸にしているかというと、それは都市ではなく、あなたが頭の中で抱いている考えなのです。あなたのアイデアを手放す方法を知っているなら、喜びと幸福は自然にやって来るでしょう。

あなたはその考えを手放すために少し勇気が必要です。あなたはその考えを手放すのに十分なくらい強くなるために、ある程度の(アイデアの本質に関する)智慧洞察が必要です。私たち一人一人が幸福についての考えを心に抱いています。そしてもし、単に幸福についての考えを取り除くことができなかったという理由だけで、あなたが幸福でないなら、たぶんあなたも同様でしょう。
:引用終わり

(参考)http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-42025929