Wednesday, August 12, 2015

積極的な思いやり

本ビデオのティク・ナット・ハンの重要なメッセージは以下の通りです。

(49:41 ~ 53:02をご覧ください)

人が堕落している時や、人が他人を苦しめるために自分の権力を濫用している時、私たちはその人がそうするのを止めさせるために何かをしなければなりません。思いやりによってそれを行うことが可能です。思いやりとは、あなたが何もしないとか、その人がそのようにし続けることを許すことを意味するのではありません。違います。それは思いやりの正しい考えではありません。思いやりは非常に強力です。そしてもし、その人が変わるのを助けるために何もしないなら、あなたには思いやりがありません。あなたはその人が変わるのを助けるために、多くのことを行う必要があります。その人に話をするだけでは十分ではないかもしれません。その人に助言を与えるだけでは十分ではないかもしれません。時には、その人が変わるのに必要な十分強力な圧力をかけてあげる必要があります。そして、それには行動を要します。ですから、思いやりのある行動は非常に強力で肯定的なのです。

あなたがそのような人を見た時、その人は本当に幸せではないことをあなたは知っています。なぜなら、その人は自分の周りに苦しみを創造しているからです。そして、その苦しみはその人に戻ります。周りに愛情のある人はいないし、周囲の人自分のことを愛していないし、自分に感謝していないその人は言うでしょう。ですから、その人は苦しむのです。ですから、私たちはその人の物事の進め方、やり方が原因で自身を苦しめていることを、その人が理解するのを助けるために、その人に言えなければなりません。十分な理解と思いやりを持っていない人は、幸せな人になることはできません。私たちがそれを理解すると、その人に対して思いやりを持てるでしょう。たとえ、その人が多くの権力を持ち、他の人々を苦しめるために権力を濫用したとしても、それでもその人に対して思いやりを持つことはまだできます。

しかし、私が前に言った通り、思いやりとはあなたがその人に同じ過ちを続けることを許す意味ではありません。あなたは何かをしなければなりません。そのようなあなたの行動こそ、思いやりのある行動と言えます。あなたの怒りから起こる行動ではありません。そうではなくて、その人が周りに苦しみを作ることを止めるのを助けてあげるために行動したいというあなたの意欲から起こるものです。なぜなら、そのような人は幸せな人ではないからです。そして、そのような人に思いやりを持つことができるのです。その思いやりは積極的な思いやり、観音菩薩の思いやりでなければなりません。

(参考)http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00KZJ34KO


Avalokiteshvara