Monday, November 30, 2015

真の敵

次のティク・ナット・ハンのビデオを、1:36:561:46:10迄ご覧ください。


引用:
私は1965年6月1日マーティン・ルーサー・キングに手紙を書きました。シカゴの記者会見で彼に会って、ちょうど1年経過後でした。私はマーティン・ルーサー・キングに書いた手紙の中で、人間は私たちの敵ではないと述べました。人間は誰も、私たちの敵ではありません。私たちの敵は、私たちの憎しみ、暴力、恐れ、差別、無知です。それが真の敵です。私たちの敵は人間ではないのです。

私たちがキリスト教指導者、市民権運動の指導者との対話に出席するのは初めてでした。そして、私たちはお互いに敵ではないことに、相互に合意しなければなりませんでした。殺し、殺されるためにベトナムにやって来たアメリカ兵がいました。しかし、彼らは真に敵ではありませんでした。真の敵は誤解、誤った知覚、憎しみ、恐れ、怒りでした。

人を助けるためには、あなたはその人の内面からこれらの要素を取り除くのを助ける必要があります。そして、ベトナムの平和運動において、私たちは洞察を持っていると私は述べました。共産主義者と反共産主義者の双方共、お互いに殺しあうのなら、異なる幸福についての考え、将来についての考えを持っていたということです。そして、兄弟による兄弟殺しを主導したのは、これらの考えであり信念です。

そして、市民権運動においても、私たちは他の人間と闘っているのではないというような洞察があるに違いない、或いはあり得るのではないかと、私は手紙の中で彼に告げました。私たちは、差別、不公平、恐れといった、人間の中の否定的要素とのみ闘い、戦います。そして、生きたまま自身を燃やす僧侶がいたなら、それは真に暴力ではないと私は彼に告げました。なぜなら、私たちは戦争状態に巻き込まれていたのであり、そのような状況では人々の声が国の外からだけでなく、国の内部からですら聞いてもらうことがままならなかったのです。

ですから、紛争当事者に属する新聞、ラジオ、テレビは、私たちの希望、私たちの洞察について話すことはありません。ですから、私たちは戦争をしたくないし、したくなかったということを外部世界に知ってもらうために、メッセージが理解されるように、私たちは自身を燃やす必要があるのです。そして、そのように自身を燃やすことは、思いやりの行為であって、絶望や暴力行為ではありません。イエスが神の息子、人間の息子として、自分が十字架にかけられることを受け容れた時、彼は分かっていましたが、それを受け容れました。それは。絶望の行為ではなく、愛の行為です。

私たちはマーティン・ルーサー・キングの実践者共同体と一緒に動くことを意図していましたので、2つの共同体の間の交わりのようなもの協働する2つの実践者共同体がなければなりません。ですから、私たちはシカゴで会ったのです。そして、本当の敵といった類のことについて会談している間に、人間は私たちの敵ではないことで一致しました。そして、私たちは憎しみや怒りに基づいて行動すべきではなく、思いやりに基づいて行動すべきだと。その後、私たちはベトナム戦争に反対してきました。

そして、彼の運動の中の人々ですら恐れていましたが、彼は非常に勇敢でした。彼は真実を理解していました。彼は人間は私たちの敵ではないという洞察を得ていました。ですから、戦争(が悪いのです)。ベトナムのアメリカ兵は、仏教の僧侶は変装したゲリラかもしれないので、仏教の僧侶を信用してはならないと、彼らがベトナムへ来る前に言われていました。ですから、私たち(僧侶)の多くが疑われて殺されたのです。私たちは、それが行為の基盤である無知、誤った知覚であることを知っています。思いやりが維持されるように、その洞察を生きたままにしておくためには、私たちは実践する必要があります。そうしないと、怒り、恐れ、欲求不満に流されてしまいます。

そこで、私たちは、ベトナム戦争を終わらせるキャンペーンをしました。米国には、ニューヨークに和解のための団体がありました。その和解団体はベトナムへ人を送り、私たちと連絡をとりました。そして、私たちは彼らと協働しました。私たちは「殺害をやめて!」と呼ばれるキャンペーンを始めました。「人間は私たちの敵ではない」という土台に私たちは立っていました。私たちの敵は誤解、疑い、等等です。

もし、ティク・ナット・ハンとマーティン・ルーサー・キングが手を取りあって、一緒に歩けば、皆さんは仏陀とイエスが一緒に歩いているのを見ることができます。そして、私は「家へ帰る」という題の本を書きました。イエスと仏陀は兄弟です。ですから、あなたの実践は、その線に沿う必要があります。なぜなら、その洞察はあなたに平和、洞察、幸せをもたらすことができ、あなたはどこへ行くべきかが分かるからです。あなたがその洞察を得たなら、もはや混乱はありません。すると、非差別が現実のものとなり、ただの口先だけではなくなります。
:引用おわり

(解説)
ティク・ナット・ハンのこの教えは、今世紀の世界平和のためにまだ非常に役立ちます。特に、オランド大統領とイスラム国指導者は、非常に注意して深くこの教えに耳を傾ける必要があります。

(参考)http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00KZJ34KO

ティク・ナット・ハンとキング牧師