Thursday, December 10, 2015

軍事経済システム

1972年の国連地球サミットでの、ティク・ナット・ハンの深い洞察を共有する次のビデオをご覧ください。


引用:
資本主義か社会主義かに関係なく、米国かその他諸国のいずれかによって、ベトナムにおける武器の流れを停止するために、弾圧がなされるべきです。しかし、それは米国による一定期間内の撤退と殺害の停止のコミットメントが既に存在する場合にのみ、実行可能です。私は北ベトナムか南ベトナムか、ハノイかホーチミンかという観点から話しているのではありません。私は、私が知っているベトナムの人々について話しているのであり、その人たちは毎日死んでいっており、毎日苦しんでいます。私は、彼らのために話しているのです。

そして、もしあなた方が私に、彼らが望むものは何かという質問をされたいなら、最も望んでいることはあなた方が爆撃を停止すること、あなた方が殺害を停止することです。そして、もし私たちが生きていたなら、私たちは人間の尊厳、自由、独立などのような他のことのために私たちの闘争を進めるでしょう。しかし、もしあなた方が戦い続け、死に続けなければならないと考えるなら、あなた方は間違っています。私は、戦争に責任があるのはアメリカ政府だけであるとは思いません。

あなた方のほとんどは、(米国の)政治・経済システムがベトナム戦争のようなものになってきたことをご存知です。ですから、そのシステムについては何もせずに、政府に全てのことをするように要求することだけでは、十分ではありません。そして、もしあなた方が別の新しい大統領を得たとしても、新大統領は現大統領と同じことをするかもしれないと私は恐れます(実権は選挙で資金協力してもらった軍需産業に握られており、大統領とは名ばかりで単なる操り人形でしかないため)

ですから、人々が独自で自分たちの生き方を再検討するためには、自分たちが米国における現行の軍事経済システム強化に参加しているかどうかを知ることが、非常に重要なポイントなのです。もし、あなた方がそのシステムを支援し続け、消費し続け、そのような生き方を続ける(大量消費による贅沢な暮らしを可能にするために殺戮兵器を作り、売り、儲ける)なら、その時はあなた方は自分たちには責任がないと言うことはできません。あなた方はベトナムで政府がしていることを(間接的に)支持しているのですから。
:引用終わり

(私見)
ティク・ナット・ハンのメッセージは、「現在の軍事経済システムを止めるべきである」と了解します。そして、ティク・ナット・ハンのメッセージから43年が経過した今、米国政府と国民は政治・経済システムを変えておらず、軍事経済システムがまだ継続しています。その証拠は、彼らがまだ武器によって、国内外で人々を殺しているということです。そして、政治家に対する軍需産業の圧力や影響力は、選挙資金の寄付を通したお金の力により、今もなお極めて強力です。ですから、大統領でさえ、ティク・ナット・ハンが(誰が大統領になっても同じかもしれないと)指摘しているように、操り人形にならざるを得ないのです。そして、米国の一般人はまだ、自分たちが間接的に危険な軍事経済システムを支持していることを知らずに、大量消費をし続けています。

デヴィッド・ボームは、「もし、私たちが社会の変化を望むなら、二つや三つの表面的で個人的な変化や、経済システムの変化だけでは十分ではありません。意識の完全な変化が必要です。この変化をどのように実現できるかについては私たちにはまだ分かりませんが、私は意識の完全な変化が絶対に不可欠であると確信しています」と言いました。私はデヴィッド・ボームに同意し、意識の完全な変化の手法は、マインドフルネス、集中、洞察であると理解しています。

(参考)http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00KZJ34KO

Thich Nhat Hanh & Martin Luther King Jr.