ですから、私たちが有する数学は、依然として差別心に基づいています。私たちがまだ使用している論理は、アイデンティティ（身元）の原理に基づいた論理です。AはAにしかなれず、Bにはなれない。（A = A ≠ B）それが私たちの論理です。それが私たちの数学です。依然としてアイデンティティ（身元）の原理に基づいています。しかし、仏陀は別の方法を提案しました。私たちの方法は、深く観ることです。あなたが瞑想者の心でこの一枚の紙を観ると、あなたは何を理解するでしょうか？この一枚の紙が紙でない要素からできていることを、あなたは理解します。あなたは（紙の）中の木を見ることができます。あなたは（紙の）中の森を見ることができます。あなたは森の中の雨を見ることができます。あなたは森に注ぐ太陽光を見ることができます。あなたはこの一枚の紙を生産する工場を見ることができます。そして、あなたはこの紙が紙でない要素のみからできていることを理解します。もし、あなたがこれら紙でない要素の全てを取り除くなら、紙は残りません。ですから、Aは厳密にはAでなく、AはBです。（A ≠ A = B）もし、あなたが（紙の中の）木、太陽光、工場、労働者を見なかったのなら、紙を見なかったのです。
ですから、仏陀によって提案された新たな論理は、弁証法の一種です。 AはAではありません。（A ≠ A）あなたはそれを理解する必要があります。紙は紙ではありません。だからこそ、それは紙であり得るのです。分かりますか？もし、あなたが紙の中の紙でない要素を見なかったなら、その一枚の紙を見なかったのです。一枚の紙は、紙でない要素のみからできています。その一枚の紙は宇宙で満ちていますが、独立した存在が空（ない）です。そして、これは一般的な呼称で紙と呼ばれています。私たちの瞑想の対象、対象の本質を、私たちは深く観る必要があります。それは形成物です。それは実体がある存在の中核を持っていません。それはその他全てで満ちていますが、独立した（自性）自己が空（ない）です。独立した存在は全く有りません。ですから、全てのものは、その中に本当の実体（存在の中核）を持たない、一般的な呼称（名付けただけ）なのです。
ですから、Aは、あなたがAと呼ぶものは、仏陀を含むA以外の要素からできています。仏陀は仏陀以外の要素からできています。もし、あなたがそれを理解していないなら、あなたは仏陀を理解していません。そして、仏教は仏教以外の要素からできています。あなたがそれを理解した時、仏教（の概念）から解放され、仏陀（の概念）から解放されます。なぜなら、仏陀もまた、一般的な呼称であることをあなたは知っているからです。そして、仏教もまた、一般的な呼称です。ですから、中道の弁証法は、AはAではない（A ≠ A）のです。それ故に、それはAであり得るのです。（A ≠ A = A）
同じことが素粒子にも当てはまります。私たちが電子について話すとしましょう。この原理に従えば、電子は電子以外の要素のみからできています。もし、あなたがそれを理解していないなら、あなたは電子を見ていなかったのです。どのように科学者は電子を観察するでしょうか？科学者は所謂、電子の裸の塊を見つけ出そうとし、電子と電子自身の磁場との関係の観点から自己エネルギー、電子の自己エネルギーと彼らが呼ぶものを見つけ出そうとします。その磁場がなければ、電子は電子ではありません（磁場があってこその電子）。ですから、同じことが陽子と中性子にも当てはまります。それらは独立した物ではありません。あなたは形成物としてそれらを見る必要があります。中性子は中性子以外の要素からできています。陽子もまた、陽子以外の要素からできています。そして、陽子は宇宙におけるその他全てのものと関係を持っています。
：引用終わり
（解説）
般若心経において、仏陀は仏教と量子物理学の方程式を、以下の通り述べました。
色不異空: 形（体）は空に他ありません。
<形（体）は形（体）以外の要素、即ち空からできているからです。>
空不異色: 空は形（体）に他ありません。
<空は空以外の要素、即ち形（体）からできているからです。>
色即是空: 形（体）は、即ち空（独立した存在が空）です。
空即是色: 空（独立した存在が空）は、即ち形（体）です。
換言すれば、AはA以外の要素からできています。ですから、AはA以外に他ありません。即ち、AはA以外です。
一方、A以外はA以外でない要素（A）からできています。ですから、A以外はAに他ありません。即ち、A以外はAです。
デヴィッド・ボームは、 「全てのものは内部的に全てのものと関連している。全てのものは全てのものを含んでいる」と、もっと簡単に説明しました。
（参考）
http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-42868476
「般若心経」
（究極超訳と解説）http://www.amazon.co.jp/dp/B00WBP308Q
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http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHShttp://compassion5151.blogspot.jp/2016/04/blog-post_26.html
日食（光と闇）
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