Thursday, February 25, 2016

自己探求

以下は、ティク・ナット・ハンの自己探求の手法です。

(相互依存の瞑想)
子供の頃のあなた自身の写真を見つけてください。蓮華座か半蓮華座に座禅を組んでください。あなたの呼吸について行くことを始めてください。 20回の呼吸後、あなたの目の前の写真に注意の焦点を合わせ始めます。写真が撮影された時代にあなたができていた五蘊(その年齢時のあなたの、あなたの感情知覚心行意識の物理的特徴)を再現し、もう一度生きてみてください。あなたの呼吸について行くことを続けてください。あなたの記憶にあなたを誘い出させたり、圧倒させないでください。この瞑想を15分間続けてください。かすかな微笑を維持してください。あなたのマインドフルネス(念)現在のあなた自身へ向けてください。今、この瞬間のあなたの体、感情、知覚、心行、意識を意識してください。あなた自身を構成している五蘊を見てください。 「私は誰?」、と質問してみてください。その質問は、軟らかい大地の奥深くに心地良く立ち、水で湿った新しい種子のように、あなたの中に深く根ざしている必要があります。 「私は誰?」の質問は、あなたの推論的な知能で考える抽象的な質問であってはなりません。 「私は誰?」の質問は、あなたの知能に限定されるものではなく、五蘊全体を配慮したものです。知的な答を探し求めようとしないでください。哲学的熟考によって引き離されないように、軽快でも深い呼吸を維持しながら、10分間瞑想してください。

(あなた自身)
自分だけの暗い部屋か、夜一人で川の傍か、ひとりぼっちになれる場所なら他のどこでも、座禅を組んでください。そして、あなたの呼吸をつかまえ始めます。「私は、自分自身を指さすために、私の指を使います」と言って考えを起こし、その後、あなたの体を指さす代わりに、その反対方向を指さしてください。あなたの体の形の外部居るあなた自身を見る瞑想をしてください。あなたの前に存在するあなたの体の形を見る瞑想をしてください。その時あなたは、木や、草や、葉や、川の中に居ます。あなたが宇宙の中に居て、宇宙があなたの中に居ることに注意してください。宇宙が存在するなら、あなたが存在します。あなたが存在するなら、宇宙が存在します。誕生はありません(不生)。死はありません(不死)。(無から有へ)来ることはありません。(有から無へ)行くことはありません。かすかな微笑を維持してください。あなたの呼吸をつかまえてください。10分~20分間瞑想してください。

(あなたの骸骨)
ベッドの上か、マットの上か、草の上かに、あなたが快適なポジションで横になってください。枕を使用しないでください。あなたの呼吸をつかまえ始めてください。あなたの体で残っているのは、大地の表面に横たわる白い骸骨だけだと想像してください。かすかな微笑を維持し、あなたの呼吸について行くことを続けてください。全てのあなたの肉は分解されて無くなり、貴方の骸骨が今、埋葬後80年大地に横たわっていることを想像してください。あなたの頭蓋骨、背骨、肋骨、腰骨、脚や腕の骨、指の骨をはっきりと見てください。かすかな微笑を維持して、非常に軽く呼吸し、あなたの心と頭を穏やかにします。骸骨はあなたではないことを理解してください。あなたの体の形はあなたではありません。命と一つになってください。木や草の中で、他人の中で、鳥や他の獣の中で、の中で、海の波の中で、永遠に生きてください。あなたの骸骨はあなたの一部でしかありません。あなたは、どこでも全ての瞬間に存在しています。あなたは体の形だけでなく、また感情、思考、行動、知識だけでさえもありません。 20〜30分間続けてください。
(ティク・ナット・ハンの「マインドフルネスの奇跡」より抜粋)

(解説)
次の資料は独自の「自己探求」のまとめです。
http://www.slideshare.net/compassion5151/3-46874436
人間には、エゴのみ、エゴと一時的な目覚めた意識(本当の自分)、エゴと常時目覚めた意識、という3種類の状態があります。エゴは、体が自分であると考えています。目覚めた意識は、五蘊(体、感情、知覚、心行、意識)が自分であると理解しています。目覚めた意識が居る時は、マインドフルネス(念)があります。ですから、非二元性があります。しかし、一時的な目覚めた意識が消えてエゴだけになると、失念があります。そして、二元性があります。

(参考)http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-44812852

ティク・ナット・ハン