Saturday, February 27, 2016

瞑想 (空)

以下は、ティク・ナット・ハンの「空」の瞑想手法です。

(空)
蓮華座または半蓮華座に座禅を組んでください。呼吸を調節し始めます。五蘊(体、感情、知覚、心行、意識)の集合体における「空」の性質(独立した存在が空)を瞑想してください。五蘊(5つの集合体)の一要素から別の要素へと検討を進めていきます。変化するもの全てが無常であり、無我であることを理解してください。五蘊の集合体は全ての現象の集合体のようなものです。全部が相互依存の法則に従っています。五蘊の相互一体化と解体は、山頂の周りの雲の集合と消滅に似ています。五蘊に執着することも、拒絶することもしないでください。好き嫌いは、五蘊の集合体に属する現象である(好き嫌いは心と体から生じる)ことを理解してください。五蘊は無我(独立した自己が無い)であり、「空」(独立した存在が空)であること、しかし五蘊はまた奇蹟でもあり、宇宙の現象のように奇蹟的であり、どこにでも存在しているのように奇蹟的であることをはっきりと理解してください。 五蘊自体が究極の現実ですので、五蘊は本当は(無から有への)創造と(有から無への)破壊を経験していないことを理解してみてください(五蘊は創造されることも破壊されることもなく継続しているだけである)。あなたが無常、無我、「空」の概念に投獄されないように、この瞑想によって、無常が概念であり無我も概念であり「空」も概念であることを理解してみてください。空もまた空であり(独立した存在ではなく)、の究極の現実は五蘊の究極の現実と全く異ならないことをあなたは理解するでしょう。 (瞑想時間は人によりますが、おそらく一時間から二時間でしょう。)
(ティク・ナット・ハン著「マインドフルネスの奇跡」より抜粋)

(解説)
究極の真理は2種類あり、現象界(外部世界)に一つ、そして本体の世界(内部世界)に一つあると私は理解しています。前者は、「相互に依存して共同発生」(表裏一体)としての「空」(非二元性)です。後者は、全体性・完全性(全ての概念の絶滅)としての「空」(非二元性)です。そして、上記のティク・ナット・ハンの「空」の瞑想は、現象界(外部世界)に基づくものです。「空」は概念ですので、私たちはそれに捉われないように注意しなければなりません。「空」の本質を理解したと同時に、「空」の概念を捨てる必要があるのです。

(参考)http://www.amazon.co.jp/dp/B00WBP308Q


ティク・ナット・ハン