Monday, March 7, 2016

瞑想 (無知が原因の苦しみ)

以下は、ティク・ナット・ハンの「無知によって引き起こされる苦しみ」の瞑想手法です。

(智慧の欠如によって引き起こされる苦しみ)
蓮華座、または半蓮華座に座禅を組んでください。あなたの呼吸について行き始めます。あなたが知っている中で最も苦しんでいる家族、または社会の状況を選択してください。それがあなたの瞑想の対象となります。

の場合、その人が受けている全ての苦しみの理解を試みてください。の苦しみ(病気貧困肉体的苦痛)から始め、その後、感情内面の葛藤恐れ憎しみ嫉妬ひどく苦しむ良心)によって引き起こされる苦しみへと進みます。次に知覚悲観、暗く狭い視野でその人の問題から離れない)によって引き起こされる苦しみを注意深く調べてください。その人の心の機能(心行)恐れ落胆絶望、または憎しみによって動機付けされているかどうかを理解します。その人の意識が、その人の状況苦しみ、周囲の教育デマ、または自身の自己制御の欠如のために遮断されているか否かを理解してください。あなたの心が新鮮な水の井戸のように思いやりでいっぱいになるまで、これら全ての苦しみを瞑想してください。すると、その人は種々境遇無知が原因で苦しんでいることをあなたは理解できます。できるだけ最も静かで控え目な手段を通して、その人が現在の状況から抜け出す手助けをすると決心してください。

家族の場合も、同様の方法に従います。家族の1人の全ての苦しみをくまなく調べ、その後次の人へと進み、あなたが家族全員の苦しみを検討し尽くすまで続けます。彼らの苦しみは自分自身の苦しみであることを理解してください。グループの1人も非難してはならないことを理解してください。あなたは、できるだけ最も静かで控え目な手段によって、彼らが現在の状況から自らを解放するのを助けなければならないことを理解してください。

社会の場合、戦争やその他の不正の状況に苦しむ国の状況を受け止めてください。紛争に関わる全ての人が被害者であることを理解しようとしてみてください。紛争当事者や反対側に立つ全員を含む誰もが、苦しみの継続を望んでいないことを理解してください。その状況の責めを負うのは、一人や二人の人だけではないことを理解してください。その状況が可能であるのは、各人が無知やそれを変更する決意の欠如を通して支持しているイデオロギー不公平な世界経済システムにしがみついているからであることを理解してください。紛争において双方は本当に対立しているのではなく、同じ現実の二つの側面であることを理解してください。最も重要なのは生命であり、殺害や互いに圧迫しあうことによっては何も解決しないことを理解してください。次の経典の文言を覚えておいてください。

戦時においては
自分の中に思いやりの心を高めてください
生きものを助けてください
戦う意志を放棄してください
猛烈な戦闘がある所ではどこであろうが
双方の力の均衡を維持するために、
あなたの全力を尽くしてください
そして、紛争の和解に踏み込んでください

ヴィマラ・キールティー(維摩居士 ゆいまこじ:古代インドの商人で、釈迦の在家の弟子。居士とは在家の弟子のこと)

全ての非難と憎しみが消滅するまで瞑想してください。すると、あなたの中に新鮮な水の井戸のように、思いやりと愛が湧き上がります。できるだけ最も静かで控え目な手段により、目覚めた意識和解のために役に立つと誓ってください。
(ティク・ナット・ハン著「マインドフルネスの奇跡」より抜粋)

(解説)
全ては私たち自身の創造です。全ての問題はエゴによって引き起こされます。暴力では何も解決できません。愛と思いやりだけが全ての問題を解決できます。愛と思いやりを発生させるためには、マインドフルネスを通して目覚めた意識を復活させ、集中によって苦しみを深く調べる必要があります。私たちが洞察を通して​​苦しみの根本原因を理解する時、愛と思いやりが生じ、苦しみを平和、喜び、幸せへと変容します。
(参考)http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-44494852

ティク・ナット・ハン