Monday, July 4, 2016

夢を見ない深い睡眠

次の詩を深くご一読ください。

知覚の欠如した状態、
二つの達成
深い睡眠失神または昏睡を除いて、
心の意識(顕在意識)は常に機能している。」

ティク・ナット・ハン(師)は上記の詩を示し、心の意識(顕在意識)が機能しなくなる5つの状況についてより明確に説明しました。その5つの状況は、以下の通りです。
1)瞑想集中(サマディ)
2)無思考の瞑想状態(二つの達成の一つ)
3)無知覚の瞑想状態(二つの達成の一つ)
4)夢を見ない深い睡眠
5)昏睡または失神の間

深い睡眠は、五つの状況の一つです。「深い睡眠状態では、意識的な夢はない。私たちが夢を見る時、それは私たちの心の意識(顕在意識)が機能していることを意味する。深い睡眠では、私たちは心の意識(顕在意識)の不在状態に自然に入ることができる。夢を見ない睡眠は、普段は非常に機能している私たちの心の意識(顕在意識)が休息できるので、非常に気分をすっきりさせ、新しい活力を与えてくれる」と、ティク・ナット・ハンは述べました。

深い睡眠状態の間、私たち(脳)は思考を停止し、目覚めた意識が復活する、と私は理解しています。とにかく、深い睡眠は、瞑想集中(サマディ)無思考及び無知覚の瞑想状態全く同じ効果があります。言い換えると、全ての人間は深い睡眠状態の間、無意識に瞑想することを意味します。(正しい)瞑想は、停止、休息、沈静、癒し、滋養のような効果をもたらします。ですから、深い睡眠が人の生活において重要な役割を果たしていることは、言うまでもありません。

ティク・ナット・ハンは、「私たちが見るもの、聞くもの、私たちの知覚に基づいて生じる心行(精神形成物)のため、苦しみがしばしば生じる」と言いました。ですから、無知覚は不健全な心行(精神形成物、即ち煩悩の発生を止めることができます。この意味で、深い睡眠状態において、私たちは決して苦しむことはできないのです。ですから、(正しい)瞑想は、目が覚めている間の夢を見ない深い睡眠と言えます。

(注)知覚:頭(脳)内における概念の連続

(参考)http://www.slideshare.net/compassion5151/ss-44713365


深い睡眠