Thursday, February 9, 2017

十六念息(要点1)

「十六念息」の要点は以下の通りです。(原文と解説は次のURLをご参照ください。) http://compassion5151.blogspot.jp/2015/10/blog-post_28.html
http://compassion5151.blogspot.jp/2016/04/blog-post_26.html

実習1-4: 体
(1-2): 呼吸
この最初の二つの実習(意識的な呼吸)は、非常に重要です。なぜなら、この最初の意識的な呼吸によって、思考、即ち知覚を停止し、マインドフルネスに自分自身を確立するからです。つまり、この最初の意識的な呼吸によって、自分自身をエゴ(独立した(自性)自己、偽りの自分)から目覚めた意識(独立していない(無自性)自己、本当の自分、法身)へ変容するのです。思考を停止できれば、この変容は自動的に一瞬で起こります。しかしながら、強い恐れや不安を持っている人は、いくら呼吸に意識を集中しようとしても、考え続けてしまって思考を停止できません。

留意すべき点は、この最初の段階でマインドフルネスに自分自身を確立しておかないと、三番目以降の実習効果は期待できないということです。ティク・ナット・ハンが、「一息(2~3秒)で本当の自分に戻れる」と言っているのは、正にこの最初の意識的な呼吸のことを意味すると、私は理解しています。

(3-4): 全身
最初の二つの実習(意識的な呼吸)でマインドフルネスに自分自身を確立できると、マインドフルネスのエネルギーによって、目覚めた意識が自動的に自分の内面と周囲で何が起こっているかを気付けるようになります。実際には、一気に全てに気付くことができる(同時にあらゆる洞察を得ることができる)のですが、実習ではステップを踏んで順番に対象に気付いていきます。対象とは、人間を構成する五蘊(体、感情、知覚、心行、意識)を意味し、具体的には3-4:7-8:感情9-12:心行と意識13-16:知覚の順で認識し、穏やかにしていきます(痛みや苦しみに気付いて静めていきます)。

まず、3-4では全身の痛みに気付いて、痛い部分の緊張を解放します。体と心は密接に影響を及ぼし合っていますので、体の痛みが激しいと意識を集中できなくなり、マインドフルネスに自分自身を確立できなくなります。従って、第一に全身の健康マインドフルネスの光線でレントゲンの如くチェックし、不健康な部分は抱きしめて十分にケアしてあげることから始めるのです。以上の通り、マインドフルネスのエネルギーは、認識し、抱きしめ(受容し)、痛みや苦しみを和らげて軽減する機能を持っています。尚、マインドフルネスに自分自身を確立できるやいなや、停止する効果、休める効果、穏やかにする効果、癒す効果が一気に発生します。

(つづく)

(参考)https://www.youtube.com/watch?v=7eSuUDzwAWs
http://www.amazon.co.jp/dp/B012YZBHHS 
ティク・ナット・ハンの書